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国民健康保険団体連合会の業務の中に、居宅サービスあるいは施設サービスについて質の向上に関する調査を行う権限・業務を加えたこと、さらに、質の向上に関する調査の業務とともに、居宅介護の事業者ないしは施設に対して必要な指導及び助言を行うという業務を定めたことがそれである。
これによって国民健康保険団体連合会の組織に、介護保険のオンブズマン的機能を付与したと見られているわけである。 明記していないけれどもその趣旨介護保険法の内容と検討が挿入された。
そのことは一歩前進であるといえる。 それに加えて苦情処理手続を整備することが自己決定の支援のために必要で不可欠だということである。
第8点は、介護保険運営協議会の方式を導入してはどうかという提案である(向趣旨の提案として、前掲「介護の社会化を進める一万人市民委員会」の2頁以下参照)。 実は国民健康保険の場合には、弁護士、医師等はそれぞれ国民健康保険組合を組織しているから、組合として自主的に運営できるが、市町村の住民の場合は、国民健康保険事業の運営にあたって、国民健康保険運営協議会という組織を設けることになっている。
そこに被保険者代表、医療側代表および公益委員等が加わって、毎年の保険財政の運営を点検するとともに、保険料を幾らにしたらいいかを検討する。 ここにはある程度被保険者代表の参加の道が講じられているわけである。
ただ、国民健康保険運営協議会は、保険財政運営については審議するが、医療供給のあり方、医療施設の整備のあり方、ひいては医療の質の向上など、供給体制の問題には、関与できない。 保険財政の収支だけしか審議できないことが国民健康保険運営協議会の形骸化につながっているように思われる。
そこで介護保険の場合は、市町村が保険財政運営の主体になるとともに、施設およびマンパワーの整備の主体と保険給付の主体になるから、市町村に住民参加としての介護保険運営協議会をつくり、かっ、財政運営の審議のみならず基盤整備についても審議するとすることが望ましいのではないかと思う。 ところが介護保険法を見ると、国民健康保険運営協議会のような財政運営の協議会すらない。
市民参加の道が閉ざされている格好になっている。 今日問題になっているような行政の癒着や腐敗を防ごうとすれば、情報公開・市民参加というものが取り入れられるべきであろう。
第9点は、サービスの質の基準についてである。 在宅・施設介護にかかわらず、今後最も期待されるのは民間活力といわれる。
厚生省の外郭団体であるシルバーサービス振興会は、在宅介護などで一定の基準を満たす民間事業者にシルバーマlクを交付している。 その認定交付件数は1996年度において952件で、前年度比約5割増である。
民間企業が独自に提供する介護サービスは、これまでは価格が高く、利用も限られていたが、介護保険制度の導入によって利用者の自己負担が一割で済むことになれば、民間企業の参入は加速するとみられている。 すでに採算を度外視した参入競争が現われているのである。
新聞報道によれば、「入浴サービスを提供する業界企業の幹部は『特別の車両を使う入浴サービスの料金サービスは一回一万3000円l一万4000円が採算ラインだが、7000円を切る価格で自治体から請け負う企業も出てきた。 サービスの質低下が心配だ』と言う」(N(朝刊)「介護法案を問う」1997年4月11一1日付参照)と報じられている。
介護施設の基準については老人福祉法等による基準が引き続き適用されるが、在宅サービスの基準については老人福祉法にも介護保険法にも明確な規定はない。 措置から契約への改革がサービスの質向上に確実につながるような基準保障法制が求められる(拙稿「在宅ケアにおける質と基準」ジユリスト増刊『高齢社会と在宅ケア』1993年、96頁以下参照)。
最後に、第10点としてアドボカシーサービスについて提案しておきたい。 法務省では民法の禁治産者制度を改正して、新しい成年後見制度を設ける方向で検討中である。
法務省としては、新しい成年後見人だけに身上監護の権限を与えることは、扶養義務者の扶養義務の範囲・内容との整合性をいかに図るかという新たな問題をかかえることになるだろう。 周知のとおり、扶養義務は経済的扶養のみならず身上監護の義務まで及ぶかどうかをめぐって厳しい学説上の対立があるし、あるいは手術等の同意をめぐって、通常、家族が同意をしているものの、果たしてどういう法理、根拠に基づいてどの範囲までの親族が同意し得るのかについて、いまだ確定した法理論がないときにひとり成年後見人だけが同意の権限を有するとしたり、身上監護の義務を負ったりでは、民法の体系性・整合性が保てないと指摘されている(道垣内、同前、ジユリスト1075号、93頁以下参照)。
そういう批判を受けると、やはり成年後見人は財産管理の後見に限定するとするのが民法体系上安定しているように思われる。 そうすると、財産管理を除く他の身上監護の部分は、いわば民法の枠を超えた社会保障法の領域で引き受けてほしいということになってくる。
それでは新しい介護保険法の中に、そのような身上監護に関する規定が用意されているかというと、それはやはりないといわざるを得なし、。 そこで、アドボカシー・サービスについて提案したい。
アドボカシー・サービスとは、権利擁護から自己決定の支援まで広がりがある。 そのようなアドボカシー・サービスを民法上の成年後見人制度の補完としてどのように介護保険法の中で行うことができるだろうか。
一つには、自己決定の支援という基本理念を、介護保険法の中のケアマネジメントの手続の中に貫かせる、圭一口い換えるとケアマネジメントの手続の中にアドボカシーを内在化する、という方法があるだろう。 つまり、要介護度の認定の手続にあたっては本人は意見を言うことができ、本人が説明を求めたならば、認定審査会は説明をしなければならないとする。
ケアプランの決定については、被保険者本人が選択することができ、市町村は本人の選択について認定審査会の意見を聞いて助言をしなければならないとする。 この場合、認定審査会の説明義務とか市町村の助言の義務とかは、文字通り自己決定の支援として行われるものである。
こうして要介護度の認定から始まってサービスの指定、3ヵ月ごとのサービスのモニター、そしてその結果をサービスにフィードバックするという、ケアマネジメントの全体の流れを、サービスの提供に当たる側がその認定と提供と同時に自己決定の支援にも当たるという流れにしていく。 そして最後にアドボカシーサービスの重要な構成要素として、苦情処理手続を入れる。
これがアドボカシーサービスを実現する第一の方法であるが、実は、アドボカシーサービスを手続の中に貫かせるという狙いは第一点から第9点までの提案を生かせば実現できることになるわけである。 しかし問題は認定手続の際に「いや、自分は軽度ではなく重度のはずだ」、「どうしてあの人が重度で私は軽度なのか」と自分の意見や苦情を言える高齢者や、それを言ってくれる家族がいるケースはいいけれども、それを一言えない高齢者、言ってくれる家族がいない場合にどうするのか。
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第8点は、介護保険運営協議会の方式を導入してはどうかという提案である(向趣旨の提案として、前掲「介護の社会化を進める一万人市民委員会」の2頁以下参照)。 実は国民健康保険の場合には、弁護士、医師等はそれぞれ国民健康保険組合を組織しているから、組合として自主的に運営できるが、市町村の住民の場合は、国民健康保険事業の運営にあたって、国民健康保険運営協議会という組織を設けることになっている。
そこに被保険者代表、医療側代表および公益委員等が加わって、毎年の保険財政の運営を点検するとともに、保険料を幾らにしたらいいかを検討する。 ここにはある程度被保険者代表の参加の道が講じられているわけである。
ただ、国民健康保険運営協議会は、保険財政運営については審議するが、医療供給のあり方、医療施設の整備のあり方、ひいては医療の質の向上など、供給体制の問題には、関与できない。 保険財政の収支だけしか審議できないことが国民健康保険運営協議会の形骸化につながっているように思われる。
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これがアドボカシーサービスを実現する第一の方法であるが、実は、アドボカシーサービスを手続の中に貫かせるという狙いは第一点から第9点までの提案を生かせば実現できることになるわけである。 しかし問題は認定手続の際に「いや、自分は軽度ではなく重度のはずだ」、「どうしてあの人が重度で私は軽度なのか」と自分の意見や苦情を言える高齢者や、それを言ってくれる家族がいるケースはいいけれども、それを一言えない高齢者、言ってくれる家族がいない場合にどうするのか。
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